ブラジル情報 神話編U チンビラー族の白人の起源

白人の起源の神話

 かつて文明人はいなかった。インディオだけだった。ある時、先住民の女性が子供を身ごもった。その子供は、まだ生まれていなかったが、母親が村の近くの小川に水浴へ行くたび、おなかから出て、色々な動物に姿を変えて、川岸で遊んだ。それからもう一度母親のおなかの中へ戻った。母親はそのことを誰にも話さなかった。ある日、男の子が産まれた。その子は、アウケーと名付けられた。アウケーは産まれてすぐ、若者になり、大人になり、そして老人になった。村人はアウケーの超自然的な力を恐れ、母方の祖父が言うままにアウケーを殺すことにした。しかし、何度かやってみたがうまくいかなかった。例えば、ある時祖父がアウケーを崖のところへ連れて行き、そこから崖下へ落とした。けれどもアウケーは、枯れ葉へ姿を変えて、ひらひら落ちていき何事もなかったように村へ戻ってきた。そこで祖父はとうとう大きな焚火を燃やし、アウケーをその中へ投げ込んでしまった。何日か後に、祖父は子供の灰を集めに殺した場所へ戻った。でも、そこにあったのは農園主の邸宅で、牛などの家畜もいた。そう、アウケーは死んでいなかった。最初の文明人に姿を変えいたのだ。そして、アウケーは、祖父に村人をすべて連れてくるように命じた。皆はやってきた。アウターが村人に銃か弓かを選ばせた時、インディオは銃を使うのを怖がり、弓を選んだ。インディオは弓を選んだのでそのままインディオであった。もしも銃を選んでいたら、インディオは文明人になったであろう。アウケーは、インディオが文明を選ばなかったことを悲しく思い、涙を流した。 

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